2004年 1月 「 私 の たまご 」 52.



私 へん子ちゃんは もう ず ー と前に 玉子を生むのを 止めた

でも 時々は 玉子を生みたくなる 実際に 生んだりもするが

いつも 殻が柔らかくて 黄身と白身が グチャ ー ッと そこらに 広がってしまって

 黄身はなくて 少し粘った液だけ の時もある ・ ・ ・

そんな時は すご ー く 落ち込んで 顔色まで 青白くなってしまうから

たい君も お母さんも お父さんも 心配して 何かと優しくしてくれる

「 もう ちゃんとした玉子は 生めないんだ ワ 」 と 諦めかけて たのに

どうしたことか ちゃんとした 玉子が 生まれた

勿論 小さくて 殻も ざら ざら してて いびつ だったけれど ・ ・ ・

たい君も お父さんも お母さんも びっくりしながらも 喜んでくれた

私 へん子ちゃんも 久々に 充実した気持にひたった

それから 数日おき位に 玉子を生む 

ちゃんとした 玉子に なるのは 少ないんだけど 時々は 玉子と 呼べるものになる

毎日 欠かさず 大きくて 立派な 玉子を 生んでいた 頃


玉子を 胸に抱え込んで 幸せそうに 眠っていた 私の姿を 思い出した お母さんは

玉子を そのまま 巣箱に 入れておいた

私 へん子ちゃん は 玉子を見ると 放っておけない すぐ 胸に抱えて 座る クセがある

クチバシ で コロ コロ 転がして そっと 座ったつもり だったのに ・ ・ ・

 「 あ゛ ー ー ー !」  壊れてしまった


へん ちゃんに 以前のような気分を 味わわせてあげよう と 思ったのに ・ ・ ・

玉子を抱えて眠る へん ちゃんの姿を もう一度 見たかっただけなのに ・ ・ ・

「 可哀想なこと を してしまった 」 と お母さんは しょんぼり

 ・ ・ ・ 「 ごめんね へん子ちゃん 」 って 頭をなでた

今日も 私は ものすごく 長い時間をかけて 玉子を生んだ

たい君は 一人で ウロ ウロ 手持ちぶさた 私の様子を 時々 見に来ては

あっち こっち 高いところに 飛び乗って  「 オッカサン ヨー 」

お母さんは 「 ハイ ハイ どうしたの 」


「 オッカサン ヨー 」 「 アイヨ たいちゃん 」

「 オッカサン ヨー 」 「 へんちゃん が いないと つまんないねー 」 なんて

合いの手を 入れながら たい君の 寂しさを 紛らしてる

今年になって 初めて 玉子になった ちっちゃな玉子 を お母さんは

ポン と 割って 食べてしまう 気には なれないって 
 
今も 食卓の真ん中に 置いてある ・ ・ ・

お父さんも 「 食べないと ダメに なっちゃうよ 」 と 言うけど 食べようとはしない

変な 私 へん子ちゃん の お父さん と お母さん なのだ




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