2004年 8月 「 私の身に?」 66.



私 へん子ちゃん と たい君 は お母さんの陶房で 眠る

夕方の5時 「 夕焼け こやけ 」 の チャイム が

島中に鳴り響く頃には ちゃんと 陶房の近くで ウロ ウロ している

「 そんなに 早くから寝たら 夜中に 目が覚めちゃう でしょう !」

近所迷惑省みず 午前2時くらいから 叫び出す たい君 を お母さんは 牽制しながら

「 へんちゃん たいちゃん おやすみ !」 って いつもは 戸を閉める

しかし 今年の夏の 異常な暑さに

「 へんちゃん たいちゃん が 蒸し鶏になっちゃったら 大変 !」

戸を 少しだけ 開けておいた ・ ・ ・ そのうち

だん だん 大胆になってきて 開け放しておくようになった

そして 8月末の 蒸し暑い夜  猫の気配 ! ! !

「 ケー ケ ケー !」 めくらめっぽう 寝床から 飛び降り 夢中で 外に 逃げ出した

駆け付けた お母さんは 私 へん子ちゃん の 空っぽの寝床 を 見て

「 腰が 抜けそうになった! 目の前が 真っ暗になった! 」 と 後で 言ってた

ボ ー と なりながらも 陶房の周囲を 探したんだけど

‘ 猫に くわえられてる へんちゃん ’‘ 傷ついて 倒れてる へんちゃん ’ の 姿が
 
目の前で グル グル グル グル

「 へんちゃん へんちゃん 」 って 呼んでは 耳を 澄ましたけれど 

辺りは シ ー ン と してて 何の気配も なくて ・ ・ ・

「 もう 猫が くわえて 何処かへ 行ってしまったのか ? 」

「 へんちゃん の いない 生活 なんて 考えられない ・ ・ ・ ? 」

「 たい は 一人で 生きていけるだろうか ? ? ? 」

パニクッタ 頭のわりには 瞬時に 色々 色々 考えたらしい

お母さんは 絶望的に なりながらも あち こち ウロ ウロ 探しているうちに

私 へん子ちゃん とっておきの ヒ ミ ツ の場所 に 思い当たった 

シダの茂みを 手探りした お母さんは 小さく固まってる 私を 見つけた

震えながら 隠れていた 私は お母さんに 抱き上げられて ホント 安心したョ

頬ずりされたり 頭をなでられたり ギュッ と 抱きしめられたり したけど 

今日ばっかりは じっと おとなしく してた

たい君は 私の寝床より ずっと 高いところで 熟睡してたので

何が起こったのか よく分かっていなかった みたい

お母さんに抱かれて 陶房に戻ったら 慌てて 飛び降りてきたんだから ・ ・ ・

「 暑いけど 我慢しなね 」 お母さんは 隙間を ちょっと残して 戸を閉めた

お父さんも 翌朝 お母さんが 話をするまで 何にも 気が付かなかったんだってさ


たい君 と お父さんは やっぱり 似てるのかも知れない 



 へん子の日記 top  65 「 恥ずかしい季節 」  67 「 もう 一年 ! 」

 紅陶庵  あが八丈太鼓  八丈太鼓の由来  八丈島の太鼓  八丈太鼓と私

 くれない TOP に戻る