2002年10月 「 たい君 」 22.



次の朝 薄明かりが 差し始める 前に 

「 コケ コッコ ー ー ー 」 と 叫ぶ 大声で 飛び起きた お母さんは 

私の寝ている 小屋の戸を 開けながら 「 男の子だ!」 がっかりしてた

「 コケコッコ ー」 「コケコッコ ー」 「コケコッコ ー」 「コケコッコ ー」 「コケコッコ ー」 ・・・

一晩中 心配してた 私は 元気な声を聞いて 大安心

艶 も 張り も ある 声量も たっぷり 遠 〜 くまで 響きわたる 実に 良い声だ !

「 朝ご飯 一緒に 食べよ 」 と 誘って

お茶碗の 麦 米 パン ピーナッツ キャベツ を 勧めたけれど

その子は 全然 興味を 示さない

自分に 何が起こったのか まるで わかってない みたいだから

不安で 空腹を感じる 余裕もないんだヮ 可哀想に !

「 コォケコッコ ー 」 「 コケェコッコ ー 」 「 コォケェコッコ ー 」 ・ ・ ・

それにしても 真剣 ! 必死というか 命の限り というように 全身で叫ぶ
  
私は 鳴き声に 聞き惚れて ウットリ ・ ・ ・  

お母さんは 叫ぶたんびに 「 シー !」  指で 自分の口を 押さえて 見せてるけど
 
この子には まったく 通じない
 
あんまり びっくりさせないで ・・・ 黙らせるには ・ ・ ・


「 どうすれば いいんだろう ?」 お母さんは パ ニ クッ テ ル
 
昨夜の 「 女の子 ・ 卵 」 なんていう 「 甘い考えに 罰があたったんだヮ 」 と

訳の分からない 反省までしながら

とにかく 世間が起き出して 叫び声が 目立たなくなるまで
 
私達の側で ウロ チョロ ウロ チョロ ウロ ウロ ・・・


「 コケコッコー 」 って 鳴く回数を 減らす為の 無駄な努力を していた

台風も去って 後かたづけも 済んでから 帰ってきた お父さんは

「 へん子ちゃん お友達が出来て 良かったねー 」 と 喜んでくれた 「 クックゥ !」

「 この子 女の子じゃないの 」 と 未練がましく お母さん

「 尻尾 見ればわかるよ 」 と お父さん

「 チャボ かなー 」  「 うこっけい だよ 」

「 朝 大声で 鳴くよ 」 「 男の子だから そりゃ 鳴くさ 」

台風で 飛ばされて 来たから 「 台 」
 
男の子だから 「 たい君 だ !」 お父さんは 

私 へん子ちゃんに 相談もしないで その子 の 名前 を 決めちゃった ヨー

「 コオッ !! 」




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