2004年 3月 「 散歩 」 55.



お母さんは りゅう兄ちゃんが いなくなってから

散歩を しなくなっちゃった 、 、 、

毎日 毎日 ・ ・ ・ 毎日 ・ ・ ・

ガン ガン 照っても ジャン ジャン 降っても 歩いてたのに ・ ・ ・ 
 
最近 「 へんちゃん と たい君 を 連れて 散歩に行けないかな ー 」 って

私達を見ながら 真剣に 考えてる時があるから コ ワ ー イ !

「 首だと 締ったら 大変だから  脚に ヒモ付ければ 大丈夫だよね ー 」 とか

「 歩きながら 時々 へーん たーい って 呼べば きっと 付いてくるよね 」


「 途中で 猫や犬に出会ったら 大変だナ ー 」 なんて
 
現実的な事も 考えながら 私 へん子ちゃんと たい君を 見てるよ ー ー ー

「 この 母さんなら 実際に やりかねない ! 」 という 気がするから 

当分 注意を 怠らないように しなくっちゃ ー
   
そんなある日 私 へん子ちゃん と たい君 を 寝させた 後 

お母さんは フイッ と 底土に向かって 歩き出した 

道端の 草や木や石ころを見て ・ ・ ・ りゅう兄ちゃんを 思い出しながら ・ ・ ・

家の中で 赤芽柏は もう 芽が出たかな ?
 
スミレは 咲いてるんだろうか ? なんて 考えてたけど 

外界は お母さんが 想像してた 以上に  はる ・ ハル ・ 春

赤芽柏は 丁度 良い赤さで もう少し遅れたら 色が褪せる ところだったし

スミレの花は やっぱり 可憐な紫色で 眩しかった

あび の 白い花も あち こちで 咲いてたから 

葉っぱが 赤や オレンジや 黄色に 変って 枝振りも なか なか だったのを

一枝 手折りながら ・ ・ ・ つい しんみり しそうになる ので 

上を向いて 元気よく 大股で 歩いてみたんだけど


お母さんの脚にぶつかりながら それを頼りに歩いていた りゅう兄ちゃんの感触が 蘇って 

あの頃のように 大声で 歌いながら ・ ・ ・ とまでは いかなかったようだ

長い間 寂しく 壁に掛かっていた 花瓶にも 「 ごめんね 」 って 言いながら
 
野の枝を挿して 「 いいネ いいネ すご ー く 良いネ ー ! 」

手を叩いて 一人で 盛り上がった らしい

あの頃は 毎日 草花だったり 芽吹く 一枝だったり 連れて来ては

あちこちに 挿していたから 結構 花瓶は 賑やかだったのに ・ ・ ・

お母さんは ぐっすり 眠っていた 私達に 

わざ わざ 久しぶりの 散歩の様子を 報告に 来たんだ

眠かったけど ・ ・ ・  私 へん子ちゃんも りゅう兄ちゃんに もたれて


眠った 日々を 懐かしく 思い出した

たい君は りゅう兄ちゃん のことを 知らないから 悔しがってる




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