2002年 3月 「 りゅう兄ちゃん がー!」 8.



りゅう兄ちゃんは もう お母さんの事も 分からなくなっている 

優しくなでても 兄ちゃんは 「 あやしい奴 !」 としか 思わない 

名前を呼んでも 「 ン ! キケン !」 と 緊張するから
 
お母さんは 物音を立てないように そ ー と 生活している

りゅう兄ちゃんが 初めて 発作 を 起こした頃 

お母さんは ただ オロ オロ メソ メソ していた

動物病院の幸子先生に 助けを求め 注射や薬にばかり すがっていた

でも { 注射も 薬も 効き目がない! } と 分かった時から お母さんは 変った

「 これまで 自分を支えてくれた りゅうの苦しみに とことん つき合おう !」

「 最後まで 逃げないで しっかり 見届けよう !」 と 決めたら 
       
「 泣いてる時じゃない !!」 と 思ったそうだ

それからの お母さんは めったなことでは あわて ふためいたり しない


兄ちゃんに その時 必要な事を 手早く片づけていく

今日も  大好きな コーラスの 練習日なのに

「 夫より 大切なりゅうが 苦しんでいるので 休みます 」 と 電話した

真夜中でも 私が 一声呼べば スキー用の 防寒具を抱えて 飛んできて 

青白い月の下 りゅう兄ちゃんの 気が済むまで 一緒に 寒風に さらされている

お母さんは りゅう兄ちゃんを 決して 急かせたりしないヨ


の ー んびり 唄 を 歌いながら ・ ・ ・ ♪ ♪ ♪ 

歌は 私も好きだけど 「 お母さんの歌は 何だか変 ?」 と 思っていたら

アルト なんだって これには マイッタ ね 「 クッ !」

今日は 朝から ずっと りゅう兄ちゃんが ハア ハア 荒い息を している
 
小刻みに 痙攣 も しているが そんなに 苦しそうには 見えない


お母さんは 毛が抜けて ボロ ボロ ヨレ ヨレ 汚くなって ・ ・ ・

やがて その時 が 来る と 思ってるから

「 こんなに きれい なんだから まだ 大丈夫 !」 と 変に 自信たっぷり なんだ


古謝さんが 訪ねて来て 5 〜 6分 側を 離れた

急いで りゅう の側に 戻った ・ ・ ・  静かに 眠ってる

「 よかった ー  苦しんでない 」 ほっ と する

アッ !
 
「 息が ? ? ? 」 


お母さんは 信じない !  ケケッ コッ コッ クゥォー
 
お父さん は そっと りゅう兄ちゃん の 目 と 口 を 閉じた




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