V なお  なぜ ? ・ どうして ? 」 ・・・???

 八丈太鼓の由来 や 叩き方について 核心に触れる 資料には 出会うことができませんでしたが
「 まだ 私の知らない 資料 が あるのではないか ?」 と 探し続けながら 無理 ・ 無茶と思えるような 
自分勝手な 想像をしながら 空想おも恐れずに 呆れるほど しつっこく くり返し 書きとめてみました

 はてしないことのように思える 太鼓の練習も 諦めないで 続けていました 書いたり 叩いたりしているうちに 
それまで つきまとっていた 疑問に対して 自然に 解答が得られる ということがあり 喜んだり 驚いたり という
不思議な 体験を することができたことは とても幸せなことでした

 なんの疑問も持たず 素直に 信じていたことが とんでもない 間違いだったり 
        「 どうして こんな 間違いを してしまったんだろう ?」 と 恥ずかしくなることも 度々でしたので 
 
これからも 知らない故の恐さ を 心に刻んで 太鼓と 接していかなければならないと思います 

 「疑問が 少し解けはじめたかな ?」 という 感触に喜んでいると また 
     新たな疑問が 湧いてきて 混乱してしまう という繰り返し
で 困っていますが そんなことについても 
決して諦めないで しっかり ・ きちん と 見つめつづけ 考えつづけようと思います

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

     イ  小さな太鼓 」 ・・・ ?
 大きな太鼓を造る技術は早くからあったようですが 大きな太鼓が好まれるようになり 一般に出回るように
なったのは ごく近年になってからのようです 昔から神社で用いられている太鼓は 全国的に小さかったようですし 
地方にいくほど 太鼓の寸法が小さくなってなっているのが通例のようです 運搬を主に人の力に頼っていた頃 
高価な太鼓を傷つけないように 荷造りすると かなり大きな荷になります その大きな荷を遠くまで運ぶのは
なかなか大変な作業だったこととも 関係があるのかも知れません

 「 どうして この島に昔からある太鼓は 小さい太鼓ばかりなのだろう ? 」 と不思議で 少なからず
不満だったのですが 
この島にある太鼓だけが 特に小さかったということではないようです 
陸地での交通の便も充分ではない頃 本土から はるか300キロ 南の海に浮かぶ 小さなこの島に 
どのようにして太鼓が運ばれてきたのでしょう ・・・ 流れ着いたのでしょうか ・・・ ?

     
ロ  女性 」 ・・・ ?
 
女性が叩く理由として考えられるのは 次のようなことでしょうか
    @ 昔からあった太鼓が 小さな太鼓だったから 女性が ・・・
    A 八丈島は 昔から 女護ガ島 と言われているように 
                      男性に比べて 女性の数が圧倒的に多かったことから 女性が ・・・
    B 租税として納める絹織物の生産にたづさわっていた女性は 
                         自ずと地位も高く 女性優位の島だったところから 女性が ・・・
    C 南国の温暖な気候に育まれて成長した島人の中でも 特に 
                            女性は 開放的 情熱的 積極的 だったので 女性が ・・・

 一般的に 太鼓は 男性が叩くもの とされていたのではないでしょうか? 
最近は 女性の中にも 太鼓に興味を持ち 積極的に叩く人がでてきましたので 太鼓の演奏者として活躍する女性も
徐々に増えてきています 男性とは 身体的条件が 決定的に違う女性が 男性と同じように 太鼓を叩いたとしても 
聞く ・ 見る人達からすれば 女性の打ち手と 男性の打ち手によって “まったく違う太鼓” という 印象を受けるのは 
当然のことですが この島の 女性達が打つ太鼓は 男性の真似だったり 男性と同じように叩こうとする太鼓 とは
根本的に異なるように思います 
 この島の男性は 素面で太鼓を叩くことなど 恥ずかしくて とてもできない という人が多く たいていは
島酒を飲んで 酔った勢いで叩きます 昔は 生活の実質的な主導権を 女性が握っていましたが 現在でも 
八丈島の女性達は はつらつとしており 積極的に生活しているように見受けられます

 八丈島の女性が打つ太鼓は 穏やかな優しい姿で叩き始め 心のおもむくままに 桴を操りながらも
興にのってくると 激しさも増し 無我夢中で叩いている姿は なかなか魅力的なものです 
女性達が 好んで叩いているうちに 自分達に似合った叩き方が 身についていった のではないでしょうか 
そして それを 大切に 受け継いできた ということが よくわかる太鼓です

 八丈島の太鼓は この島に生まれ育った 解放的で 情熱的な 女性達のための太鼓なのでしょうか ? ・・・

     
ハ  二人 」 ・・・ ?
 *
 太鼓が一つ転がっていて 何の知識もなく叩き始めるとすれば ・・・
    太鼓の一方の皮面を下側にして 上側になった皮面の方を 
                自分の手か木のようなもので叩いて 音を出すのではないでしょうか ?
    太鼓を斜めにしたり 何かの上に横にして置いたとしても
                           一人で 片面を叩いて 音を出すのではないでしょうか ?
 * 叩き方は ・・・
    自分の 気の向くままに ( 好きなように ・ 叩きたいように ) 一人で 自由に叩く のではないでしょうか ?
    二人で両面から叩いたとしても ・・・ それぞれが 気の向くままに叩く のではないでしょうか ?
                            交互に 掛け合いのようにしながら叩く のではないでしょうか ?

 八丈島の太鼓は 一つの太鼓を 二人で 両方の皮面を 同時に叩きます
    ・片面は上拍子といい 演奏の主導権を握っています
             下拍子に合わせて 曲打ち を 即興で 自由に叩きます
             下拍子に束縛されると同時に 頼ったり 助けられたりします
    ・片面は下拍子といい 上拍子に合うように 伴奏となる拍子を叩き続けます
             上拍子の打ち方や速さなどの変化に 敏感に対応して叩きます

 上拍子と下拍子の音( 拍子 ) ・ 呼吸が ぴったり合っていなければ 打ち手自身が落ち着かず 
気持ち良く叩き続け ・ 叩き終わることはできませんし 打ち手が満足できないような叩き方 ( 演奏 ) では 
聞く人 ・ 見る人を 楽しませ ・ 喜ばせ まして 感動させることなど 決してできない太鼓です

 太鼓は 強く叩けば大きな音 ( 響き )が そっと叩けば小さな音 ( 響き ) が 返ってきます 
何気なく叩いても 一打ち 一打ち 異なる音 ( 響き ) が返ってきますから 太鼓を 自由に ( 気の向くままに ) 
叩いている内に 想いを込めて打ち込めば 込めた想いに応じた 音量と 音質と 響き が 返ってくることや 
訓練することによって 欲しい ・ 必要な 音量と 音質と 響き を 自由に叩き出すことができる 
ということなどを 発見していったのだろうと思われます

 最初は何の決まりもなく 自由に叩いていた太鼓でも 叩いている内に 少しづつ決まりが定められていき 
いつの間にか たくさんの制約に縛られる 窮屈な太鼓 ・ 一部の人達だけの太鼓 になってしまい 
一般の人達からは 遠い存在になってしまう ということがよくあるものですが
 
 八丈島の太鼓は 一定の形を覚えれば 誰が叩いても同じように叩ける という太鼓ではなく 即興で叩かなければ
なりません ということは 常に色々なことに 影響を受けながら 叩くことになりますから とても不安定な状態で叩く
太鼓です たとえ 同一人でも 二度と まったく同じには叩くことができない という太鼓です このように
 
 八丈島の太鼓は 形が定められていたり 決まりさえ守っていれば 安心して叩くことができる という太鼓とは違い 
[ それも良 し ] ・ [ これも可 ] と下拍子に合ってさえいれば すべてといってもいいほど 色々のことが許されています 
「 こう叩かねばならない 」 ・ 「 こう叩いてはいけない 」 というようなことが ほとんどないのです 
これは 簡単なようですが かえって 難しく なかなか 大変なことでもあります

  「 八丈島の太鼓は 太鼓を叩き初めた頃から 現在に至るまで ほとんど 変わらず
                  同じように 叩かれていたのではないか ・・・ ? 」
という 気がします
 昔も今も 
     
・下拍子に 少しの束縛を受けるとともに しっかりと支えられて 
           集まった人々に囃され 励まされ  打ち手の想いのままに 太鼓を叩く ・・・ 
     ・長い間 叩き続けられているにも関わらず たいした変化もせず 
         島人に愛され 大切にされて  今も 盛んに叩き続けられているいる太鼓 ・・・ 

このような太鼓が 「 自然発生的 に 叩き始められた 」 とは 考えられませんし
           「 偶然が重なって 現在のような形の太鼓になった 」 と考えるのも かなり無理があるようです

このような太鼓が どうして この離島で 今日まで 叩き継がれてきているのでしょう ?
            なぜ 二人で叩く太鼓 ・・・?
            なぜ 下拍子 ・・・?
            なぜ 即興打ち ・・・?

                         
                         このような太鼓を 島民に教えた人がいたのでしょうか ? ・・・

                                                             井上洋子 記


 1p 八丈島の太鼓について top  2p 八丈島の太鼓に対する 「 個人的な 誤解 」
 3p なお 「 なぜ?・ どうして?」  4p 八丈島の太鼓に対する 「 個人的な 理解 」
 5p 各種文献から 「 気になる記述 」  6p 「 太鼓節 ・ ショメ節 ・ 春山節 」 について

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