2004年 6月 「 窯炊き 」 61.


私 へん子ちゃんは 生の土と 遊んでる お母さんが 好き

お母さんが 手ろくろを 回しているのを 見つけると
 
大急ぎで 作業台に 飛び乗って お手伝いする

黒っぽい 土クズなんて なかなか美味しい ョ
   
粘土の 溶け込んだ 水なんて 私達専用の透明な水なんかより コク(?)があるし


作業台の上には 細かい道具が ちらかってるから

つっついたり 脚で 引っかき回したりすると  色んな音がして 面白い
 
「 へんちゃん は もう ・ ・ ・ 」 なんて 邪魔に するけど
 
本当は お母さんは 私 へん子ちゃん が 側にいるのが 嬉しくって しょうがない

だけど 素焼きだ 本焼きだ 窯詰めだ 窯出しだ と 窯の扉を 開けたり
 
窯に 首をつっこんだり し始めたら あんまり 近づかない方が 無難

あっちに ウロ ウロ こっちに ウロ ウロ 動きが 激しくなるから

いつものように のんびりしてると 踏みつぶされちゃう よー

長い板や 大きな箱を 振り回してる 時もあるから 危なくって しょうがない

窯に 火が 入ったりすれば いつもの お母さん じゃ ー なくなるし

窯の温度が 1000度 なんて 越えだしたら
 
「 ゴ ー ー ー 」 火の音だって すごい ! 窯だって 震える

透明感のある 炎色 が 隙間から 透けて見えるのを
 
「 なんて きれいなんでしょう !」 なんて お母さんは 感心してるけど

窯の側に 寄ったりしたら 焼き鳥に なっちゃうんじゃないかしら ? と 思う

慎重な たい君は 陶房の中に入るのも 止めた方が良い と 私に 忠告する

「 へんちゃん達のせいで 陶房が 思う存分 使えない 」 と


お母さんは しょっちゅう グチをこぼす せっかく 広い場所があるのに
 
私 へん子ちゃん と たい君 が 別々の棚を 寝床として 占領してるし

作業台の上に な ー んにも 置いとけない のが 不自由 なんだってさ
 
私 も たいちゃん も 遠慮無く 飛び上がったり 歩き回ったり するから

二つとない 大切な作品が いつ 被害に遭うか 分からないって お父さんに 告げ口

今日も たい君 は ぐい飲み を 並べて ニヤケテル お母さんが 気になって
 
飛び上がってみたら ウン悪く ぐい飲みの 縁を 踏んづけて しまって 

転がって カチャン ガチャン  驚いて 歩き回って

カチャン ガチャン カラン ガチャ ガチャン 思いっきり ひっくり返して

あわてて 飛び降りた 一番びっくりしたのは きっと たいちゃん 自身だわね

羽根があるから 騒ぎが 余計ややこしくなるって 母さんは 言う 

「 りゅうちゃん は 作業台に デッカーイ手を そっと 掛けて 眺めてたんだけどな ー 」

また イヤミを 言われて しまった



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