2004年 1月 「 一日 の 始まり
」 51.

1月1日 は 「 明けまして おめでとうございます 」 と
人間界では 挨拶をするらしい
いつものよーうに 一晩 眠っただけ なのに ナー ・ ・ ・
朝 お父さん も お母さん も 「 へんちゃん たいちゃん おめでとう 」 って
ちょっと 改まった声で言った 鶏界では そんな取り決めは ないけれど
一応 私 へん子ちゃん も 「 ククッ !」 たい君も 「 グォッ !」 と 挨拶を 返しておいた
これが 無難な手口 ( 私達だって ちゃんと 学習する )
といっても 別に 昨日と変わることはなく 静かに ・ ・ ・ いや !
賑やかをとおりこして とんでもなく 騒々しく 一日はスタートした
たい君は 午前3時頃から 「 オッカサン ヨー 」 と 叫び初め
4時頃は もう絶好調 「 オッカサン ヨー !」 「 オッカサン ヨー 」 「 〃 」 「〃」 〃 〃
いくら 私達 二人( ? )には 広すぎる 陶房だといっても
コンクリート壁の 反響もすごいのに たい君 は 自分の声に酔ってる としか
思えないほど 頭も 胸も 尻尾も ピン と 張って 叫び続ける
陶房を 開けて貰って 外に出ると 残りご飯をねらって ハト が ウロ ウロ
雨が降る日は スズメも集まってくる み ー んな おんなじ顔して こっち見てて
ちょっと気味悪いヮ それに あの ボロ ヒーヨ だ
傷が快復してきたと思ったら 「 ビィーッ !」 「 ビィーッ !」 うるさいったら ありゃーしない
頭の上で パンが飛び交い ボロ ヒー が 落とした パンくず を
コッコメ と スズメ が 争ってる 私 へん子ちゃん だって 負けてられない
ヒーヨ は 私達が 下にいることなんか 全く 気にしてない ポトーッ ポトーッ と 好き放題
パンくずは 我慢できるけど こっちの方は ホント 頭に来る
いつ どこに 落ちてくるか 分からないから ヒーヨ が いる間は 少しも 油断できない
コッコメ は 物干し竿に止まって 何とか ヒーヨ の 真似をしようとするし
スズメ は お母さんが ヒーヨ に 投げたパンを 空中で
横取りしょうと ねらってる
でも どっちも パンを キャッチ出来るようになるのは なか なか ? ? ?
お母さんを見つけて イタ が 走ってきた ー 私達の目の前で
「 ギャッ!! 」 とか 「 キュッ !」 とか 鳴きながら パンをもらっては
ピヨン ピョン お尻と尻尾を振りながら 走っていく
私 へん子ちゃん は お母さんの手から 直接 パンを食べる
好みも はっきりしてるから お母さんは 私の好きそうなパンを
選んで買ってくる
たい君は 貰ったパンを 下に置いて 「 コッ コッ コッ !」 私に 食べさせる
「 パンが 無くなってきたから 買い物に 行かなくっちゃー
」 って お母さん
「 この頃 ちっとも パン 食べてないナー 」 って お父さん それでも
「 ヒーヨ が 来てるよー 」 「 イタ が 待ってるヨー 」 って
いち いち お母さんを 呼んでる
