2004年 7月 「 母の宝物 」 64.



ヒーヨが 姿を見せなくなってから お母さんは すっかり 元気がなくなって

娘の 私 へん子ちゃんとしては 心配でしょうがない

姿は見せても パンは 食べにこなかった ヒーヨ なのに 

この数日前から 物干し竿に 留まって 大声で お母さんを呼んでる
 
ボロヒー なんか ガラス戸の前を 横に 往ったり 来たり 飛んでは

無理な姿勢で 部屋の中を 覗き込んで お母さんを 捜してる

「 ボロヒー 帰ってきたの ー ? 」 お母さんの声は 上ずっちゃって
 
又々 パンの大量買いが 始まった そんな ある日

「 カッチン ! 」 ポーチの方で 音がした

「 何だろう ?」 「 気のせいかな ?」 っと 思ったけど

ボロヒーが あんまり 騒ぐもんだから 戸を開けたら 縁台の上に 何か ・ ・ ・ ?

お父さんは 「 ヒヨドリの ○○○ じゃないの 」 ・ ・ ・

「 ○○○は エンジ色だし こんな大きなのが 出てくる訳ないでしょ !」 って

お母さんは プン ! プン !

拾って見たら よだれで ズル ズル に ぬれた 木の実だった

「 きっと ボロヒー からの プレゼントだ ! 」


お母さんの頭の中は 【 何とかの 恩返し ー ! 】 という 昔話が 渦を巻いてたに 違いない

私 へん子ちゃん と たい君 にも 掌に乗せた 実を そ ー と 見せてくれた

つっつこうとしたら 「 だめ ー !」 叱られちゃった  ツマンナ ー イ

お母さんは きれいに拭いて 焼き物と 一緒に 棚に 飾った ョ

「 大きな 木の実をくわえて 飛んでくるのは 大変だっただろうな ー 」 

一生懸命 運んできた ボロヒー のことを 考えて しんみり ・ ・ ・

「 ボロヒー ありがと ー 」 空に向かって 何回も 何回も ほえた
 
「 この実を植えたら 金がなるんだヨ !」 お母さんは 本気で 思ってる

こうして 二週間ほど せっせと パンを食べに来ていた ヒーヨは

また パタッ と こなくなった

でも もう お母さんは 以前のように しょんぼり してない

元気な ヒーヨの声は いっつも 聞こえているし

庭を歩けば 木から木へ 飛び移りながら 付いてくることもある 

「 ヒーヨが 来たい時に 来れば良い !」 やっと そんな気持ちに なったらしい

少しは 大人になったか ? ? ?  ( エ ー ッ ! )

棚の 木の実は 乾燥して 少し 縮んだけれど
 
やっぱり お母さん の 大切 な 宝物




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