あが 八丈太鼓  の つづき

              


 Z.「 ゆうきち 」 の 〔 基本打ち 〕 と 〔 挿入歌 〕

  
1 譜{ ふ }
     
・「 ゆうきち 」 の 基本となる打ち方が 列記してある
   
イ 八丈島で古くから ( 昔から ) 打たれている 色々な打ち方 を 浅沼亨年さんが 整理したもの
   
ロ 初心者の練習に適している
   
ハ 揃い打ち { そろいうち } をする時に利用する
    ◎ 揃い打ち − 複数の太鼓を 多勢の人が同時に打つ
                             ( この譜ができてから 八丈島でも打たれるようになった )

            「 ゆうきち 」 の 基 本 打 ち { そろいうち } 
         

  2 「 ゆうきち 」 の 挿入歌
   
イ 浅沼亨年 ( 八丈太鼓愛好会 会長 ) 作詞 ・ 作曲
      
       
    一 ハァ- 嫁をとるなら ドドンガドン ( ソレ ) ドドンガドント 太鼓も上手 ( ホイサ )
            品 {しな}の良け子を 嫁にとれ ( ハ- ウチヤレ キリヤレ キタマダ キタマダ )
     三 ハァ- わがな八丈で ドドンガドン ( ソレ ) ドドンガドント 自慢なものは ( ホイサ )
            太鼓ばやしに 黄八丈 ( ハ- ウチヤレ キリヤレ キタマダ キタマダ )
       ・ (  ) 内は 囃し詞 {はやしことば} ・ かけ声
    

   ロ 大倉 徳則 ( 元八丈高校 音楽教諭 ) 作曲 ・ ( 作詞 御母上 )
      
        ○ 大倉先生の母上が 八丈へ来られたときに 詠まれた和歌
      一 船着くや 底土港の朝明けを 太鼓鳴り渡る 
音も轟{とどろ} に
      二 鳴り渡れ 波の向こうのあの雲越えて 達者{まめ}でいるからと 
あの人 に
        ・ 
太字の部分 は 二人 ( 上拍子 ・ 下拍子 ) とも 太鼓を叩かない

    
* 「 ゆうきち 」 の挿入歌 イ.は 二番と四番 ロ.の 二番は ショメ節の歌詞が 利用してあり 
         他の ショメ節 の歌詞 でも 歌えるようになっている
     ・ イヤ- 大和男の子の度胸があらば 越えておじゃれよ黒瀬川 ( ショメ- ショメ )
     ・ イヤ- わりゃな八丈の荒海育ち 波も荒いが気も荒い ( シャメ-ショメ )

 [.「 ほんばたき 」 の 基本となる打ち方 
        
    * 同じ手 ( 打ち方 ) を じっくり ( くり返し ) 打つ - 音色 ( 響き ) の 変化を楽しむ

 \.太鼓節 ( 太鼓唄 )
     ・「 ほんばたき 」 を打つときに 太鼓の拍子に合わせて歌う唄 ( 挿入歌 )
     ・太鼓を打つ ( 下拍子か上拍子の ) 人や 第三者 ( 周りの人 ) が歌う
     ・ショメ節 ( 八丈島の古揺 ) の歌詞を そのまま利用する
     ・即興で その場にふさわしい詞{ことば} や 自分の想いを歌う

  1 歌い方
   イ 正調というものはない
     ・「 ほんばたき 」 の拍子に 合う範囲で 歌詞 ・ 音程 ・ 間などを 工夫し それぞれ独自の節回しで歌う
     ・同じ人でも 歌う度に微妙に違う ( 変わる )

   
ロ 一回の太鼓演奏に 一本 ( 一回 一つ ) か 二本 ( 二回 二つ )位 歌う
     ・太鼓節を歌う → 太鼓を打つ ( → 歌う → 打つ )
     ・打つ → 歌う → 打つ ( → 歌う → 打つ )
     ・打つ → 前半を歌う → 打つ → 後半を歌う → 打つ ( → 前半を歌う → 打つ → 後半を歌う → 打つ )

   ハ 打ち始めに歌う
     ・「 ほんばたき 」 の 雰囲気づくりをする
   
ニ 打っている途中で歌う
     ・一息入れる
     ・それまで叩いてきた 雰囲気 ( 流れ ) を変える
     ・拍子を変化させる時の きっかけにする

  2 歌詞
   
イ 太鼓叩いて 人様寄せて ( ナ- ) わしも会いたい 人がある ( ヨ- )
   
ロ 三根倉の坂 坂まん中で ( ナ- ) 出船ながめて 袖しぼる ( ヨ- )
   
○ ここの座敷は めでたい座敷 鶴と亀とが 舞い遊ぶ
   
○ おまえ百まで わしゃ九九まで ともに白髪の 生えるまで
   
◎ 太鼓叩いて 浮き浮きしやれ 身からやまい{病}の ぬけるほど
   
◎ 太鼓叩いて 人寄せ寄せて 誰がくるかと かど{門}にたつ
   
◎ 太鼓叩いて ご給料があわば わしも叩いて 暮らしたい
   
・  想い丈ほど打ち明けられぬ 書いてまた消す磯だより - 水野只道 ( 作詞 )

  3 楽譜
     
・古くから ( 昔から ) 歌い継がれてきた 一般的な節 ( 歌い方 ) を採譜したもの
   
イ 一般的に歌われているもの
              
太 鼓 節            八丈島古揺
   
   ロ 渡辺従義氏 が 採譜したもの
       「 ほんばたき 」挿入歌    太 鼓 節       渡辺従義 
 
   
   
   * 
八丈島の民謡 ( 太鼓節 ショメ節 春山節 )
      ・ 1952年 ( S.27.11.3. ) 東京都 無形民俗文化財 ( 民俗芸能 ) に指定
      ・ 保持者 - 浅沼亨年 ( 八丈太鼓保存会 会長 ) 1989年 ( H.1. ) より
               〃   八丈島民謡保存会 【 2002年( H.14.4. ) 発足 】 会長 

 ].囃{はや} す
      ・太鼓の周りに集まった人々が 囃す ( 誉め讃える ) ・ かけ声をかける 
          雰囲気を盛り上げ 太鼓を打つ人の気分を 高揚させる ・ 励ます ・ 乗せる ( 調子づかせる )
      ・打ち手 ( 下拍子 ・上拍子 ) が 太鼓を打ちながら 囃す ・ かけ声をかける
      ・囃す時 と 囃し方 ・ かけ声を かける時 と かけ方 に 注意する
            打ち手の気分と 太鼓の拍子 ・ 間 と その場の雰囲気 を大切にする
 

  1 囃し詞{ことば}
     
・太鼓の拍子 ・ 打ち方 ( 叩き方 ) その場の雰囲気に合ったことば であればよい
   
イ 打ちやれ きりやれ
   
ロ 今こそ太鼓の音だよ
   
ハ 今こそ太鼓の音だよ 打ちやれ きりやれ
   
ニ その手をかわさず 打ちやれ きりやれ
   
ホ 今こそ太鼓の音だよ その手をかわさず 打ちやれ きりやれ
   
ヘ 「 キタマダ キタマダ 」 「 キタマダ ・・・・ ・・・・
     
「 マダマダ マダマダ 」 「 マダマダ ・・・・ ・・・・
     
「 キタマダ マダマダ 」 「キタマダ マダマダ ・・・・ ・・・・
                             と 回数は自由に変えて囃す

       
イ〜ホ の後に続けて囃す
                        ( 自由に回数や組み合わせを変えて その時々に合うように囃す )
     ト 「 ドッコイ 」 「 ドッコイ ・・・・
    チ 「 うまいもんだ 」 


  2 かけ声
      ・「ソリャ」 「ソレ」 「ソ-レ」 「ハッ」 「ヤッ」 「ヤ-」 「エ-」 等
      ・気合いを込めて 短く ・ 鋭く かける
      ・囃し詞 の 前 ・ 後 や 太鼓を打っている途中にかける


   * 打ち手は上手に囃されたり 調子の良いかけ声によって 実力以上に打てる ( 演奏できる ) ことがある

 ]T「 しゃばたき 」 の 基本となる打ち方
         
   *
「 ほんばたき 」 から 速度と調子を変えて 「 しゃばたき 」 に 移っていくことが 多くなっている

         【  あ  と  が  き  】
 八丈太鼓の技術的なことについて 書かれたものがあれば 助かったのですが 残念なことというか
見よう見まね ・ 口伝えで 受け継がれてきたことからすれば 当然のこととして 書き残された物はありませんでした  
 練習をしながら 「 何か参考になるものがほしいナ- 」 と 思ったことも 度々でしたが 書いた物を読んだり
教えられたから といって すぐ自分のものになる というようなものではありませんから 根気よく練習を続けていく中で 
進歩に応じて 教えられたり ・ 自分で納得したり 「 わかった ・ 知っている 」 と 思っていたことを 修正したり ・・・・・
ということを くり返しているうちに だんだん本当のところ 「 ? 」 が わかっていくようです
「 早く知りたい ! 早くわかりたい ! 手っとり早く 自分の物にしたい ! 」 などと思うことは 間違いなのでしょう

* これまでも 八丈太鼓について 【 何か 】 自分のために 「 まとめてみたい!書き留めておきたい! 」 と 思って
 いましたが 言葉で表現することは 大変難しく 完成しないままになっていました この度  HP を 開くに当り 
 1992年(H.4.)頃までに書き留めたものに 少し手を入れ 私が 太鼓の師と仰ぐ 浅沼亨年さん と 遠藤芳雄さん を
 はじめ 多くの先輩達から 教えられたことと 練習を通して 体得 ( 納得 ) したことを 自分の言葉 で 書いてみました
  どう 表現するか と いうことは 本当に難しく
   
    ・ 太鼓の仲間と 使っている言葉 の まま 書いたのでは 他の人に わからなかったり ・・・
       ・ 細かく ( 詳しく ) 書いたことで かえって  訳がわからなくなって しまったり ・・・
       ・ 余りにも 簡潔にしすぎて 意味が 通じなくなって しまったり ・・・
                        それでも なるべく無駄をはぶき 簡潔な表現で書くようにしました


* 1970年 (S.45.) に八丈島へ移住して 初めて聞いた八丈太鼓に感動し それ以来 
                  「 自分も叩いてみたい 」 「 叩けるようになりたい 」 と 思い続けていましたが 
  1977年(S.52.) 秋 三根小学校PTAのサ-クル活動に参加して 生まれて初めて 桴を持ち 今日まで

  
叩き続けて きて しまいました
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ これからも 
      太鼓 ( 自分 )が 【 どう 変化するのか ? 】
      太鼓 ( 自分 )を  【 どう 変化させることができるのか ? 】 
そして
      太鼓を 【 いつまで 叩き続けられるのか ? 】 ・ ・・ ・・
 楽しみに 練習を続けていこうと思います

* 初めて聞いて ( 見て ) 感動したのが 若者の叩く 「 勇壮な太鼓 」 だったので
                   「 八丈太鼓とは こういうものだ!」 と 思いこんでしまいました 
  その後入会した愛好会でも 先輩達の叩く太鼓だけを目標に 練習に励んでいましたので 他に 
 色々な叩き方がある とか 地区によって特徴があるとか 有名な叩き手がいる 等々 殆ど
 興味を持たず ( 知らず ) に すごしていました 実際には 見たり ・ 聞いたり していたと思うのですが 
 興味がなかったので 見えず ・ 聞こえず の 状態だったのだと思います
 
  上記の 「 あが 八丈太鼓 」 を 読み返し 改めて 欠けている ・ 抜けている ことの多さに戸惑っています 
 私が これまで叩き続けてきた太鼓は 八丈太鼓のほんの一面というか 片寄った八丈太鼓だった と いうことを
 知り ・ 分る につれ とまどいは 更に大きくなってきています 
  このまま 突き詰めていくと これまで 自分が叩いてきた太鼓 を 自分で否定 しなければならなくなるような
 予感もしています でも 目をつぶらず 叩き続け 考え続け 私の知らない八丈太鼓とも 積極的に交流し
 自身でも 実際に 叩けるようにもなりたい と思います そのことが 私と八丈太鼓の関係が  これまで以上に
 広がって ・ 深まって いってくれるに違いないと 切実に願い 信じながら ・ ・ ・

  書き加えてから ・・・・・ とも 思いましたが 奥の深い八丈太鼓ですから これからの課題ということにして
 時間をかけて 変更したり 書き加えたり 削ったり という作業を  続けていきますので どうぞ お許し下さい
  
                                                       2003年5月 井上洋子 記

 上記 Z.の 2 の ロ の記述について、
   2006年11月20日 大倉徳則さんより、ご指摘を受けました。
     1、八丈高校 音楽教師 → 元八丈高校 音楽教師
     2、楽譜の下の歌詞、底土みなとの朝明け→底土みなとの朝明け
     3、黒瀬側→黒瀬

* 気を付けて書いていたつもりではいたのですが、うかつな間違いをしておりました。
   早速訂正しましたが、
改めて「気を引き締めなければ!」と自分に言い聞かせました。
  ご丁寧にご指摘を頂きましたこと、本当に有り難く、感謝の気持ちで一杯です。       2006年11月20日 記


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